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患者えっ?
ガチャッ。ドアを開ける、医者。
医者やっほーっ、お待たせっ。
陽子せ、先生……。(と、駆け寄る)
医者ママと彼氏から電話だったよ。(陽子の手を握り)二人とも、僕に賛成だって。
陽子(目を輝かせ)えっ? それじゃ……
ダダダッ。医者、患者のベッドヘ突然走り、
医者でやーっ!!
ズドーン。体ごと、ベッドに飛び乗る。
患者ぐ……ッ。
医者(患者の上で)どう?
患者くっ……苦し……いっ。
医者苦しい? おかしいな(とグリグリ動く)
患者お、重い……んです先生が……。
医者(グリグリしながら)クロ山くん、ちょっと心拍数計ってくれる?
陽子あ、ハイ(と、来る)
医者どうかな?(と、患者の上でドンドン跳ねる)


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患者ああっ。せ、先生……ぐっ。
陽子(心拍計を見て)かなり危険な状態ですわ。
医者やっぱり?(と、ドスンドスン)
患者あああっ。や……やっぱりって……。
医者コレじゃ、かなりかかるぞ。時間も治療費も。
医者、ようやくベッドから降りる。
患者こ、困り……ます……仕事も休んでて……お金も全然……。
医者(厳しい口調で)一度しか言わないから、よく聞きなさい!!
患者はいっ。
医者キミのクローンを作る。そしてキミが入院してる間、代わりに働かせるんだ。
患者……は?
陽子それは名案ですね、先生。
患者ちょ……ちょっと待って……
医者ガタガタ言うんじゃねえ!! 金なら心配すんな、タダにしてやっから。
陽子いいんですか?先生。
医者(陽子に)実はさー、クローン作るのも今度でちょうど七七七番目なんだ。(患者に
も優しく)ラッキーだったねキミ。大当たりだよ。


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患者ホ……ホントですか? ホントにいいんですか?
医者ああ。(顔をグッと近づけ)その代わり、頼みがある。
陽子(も、顔を近づけて)簡単だと思いますよ、きっと。一回経験済みのことだし。
医者と陽子、目を合わせてニッコリ。
患者(怖くて)……な、何ですか?いったい。
二人、また患者に優しい顔を近づけて、
医者横断歩道で、もう一度撥ねてくれないかな? あの女子高生を。
陽子この顔ね、この顔。でもダメよ、今慶はブレーキなんか踏んじゃ。
患者……。
陽子の優しい微笑み、それはやはり、天使のように眩しい。
病室には、太陽がいっぱい、照りつけている。
「次の目、私はもう一度この病院に運ばれた。しかし、今度は別のベッドに寝かされ、そして
いつまでたっても、目を覚ますことはなかった……」
 
陽子のモノローグが、淡々と結ぶ。
 〔第五話・完〕


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