| 陽子 | あ…どうしよう。先輩のパーティにも顔出せない(と頭を抱える) |
| 医者 | 忙しいんだな、女子高生って……。 |
| ダイヤ | (ルビーに)アレ、作ったらどうかしら? |
| ルビー | (タイヤに)そうね、アレ作れば解決ね。 |
| 陽子 | アレ? |
| ダイヤ | こういう場合ホラ、費用も加害者持ちなんだし。 |
| ルビー | どうです? 先生? アレ作るっていうのは。 |
| 医者 | そうか。アレを作るしかないか…… |
| 陽子 | 何です? 何を作るんですか? |
| 医者 | (目をキラッと光らせ)クローンだよ。 |
| 陽子 | クローン? |
| 医者 | 君のクローンを作るんだ……。 |
| ダイヤ・ルビー | さ、準備よ、準備。 |
| 佐知子 | どう? 陽子ちゃん。 |
| 陽子 | ……。 |
| 佐知子 | あ……ごめんなさい。あなた、陽子ちゃんじゃなかったのよね。えーっと……なんて |
| 呼んだらいいかしら? | |
| 陽子 | さあ? |
| 佐知子 | クローンだから……(名案、という顔で)ねえ、クロちゃん、っていうのはどう? |
| 陽子 | (冷めた顔) |
| 佐知子 | えっ?……駄目? |
| 陽子 | (ため息をついて)名前なんてなんでもいいです。それより、なんであたしがこんな |
| に猛勉強しなくちゃいけないんですか? | |
| 佐知子 | ンもう、何度も言ったでしょ。入院中の本物に変わって中間テスト受けるんだって。 |
| 陽子 | あたし……陽子のクローンよ。 |
| 佐知子 | そうよ、クロちゃんよ。 |
| 陽子 | ってことは、彼女とまったく同じ人間よ。 |
| 佐知子 | 当たり前じゃない、クロちゃんなんだから。 |
| 陽子 | あの子、こんなに沢山勉強してました? |
| 佐知子 | え? |
| 陽子 | いくらテストの前でも、もう少しいい加減だったような気がするんです。本物より勉 |
| 強しすぎちゃうのも、クローンとしてはどうかな……って。 | |
| 佐知子 | 何言ってるのよ陽手ちゃん……じゃなかった、クロちゃん。あなた、テストを受ける |
| ために生まれて来たんでしょ? 何よりもまず勉強が第一じゃない。余計なこと考え | |
| ちゃダメよ。 | |
| 陽子 | でも…… |
| 佐知子 | 大体ママはね、陽子ちゃんにはもっと成績のいい子になって欲しかったの。小学校の |
| 頃はいつもトップだったじゃないの。勉強さえすればもっと成績上がるのよ。だって | |
| あなた、あたしの娘……じゃなかった、あたしの娘の、クローンなんだから。 | |
| 佐知子 | さ、もう少し頑張りましょう。陽子って名前はね、ママにとって太陽のような存在に |
| なって欲しくてつけたんだから。小さい頃よくそう聞かせたでしょう? 久しぶりに |
| 満点取って輝いて。太陽みたいに、ね。 | |
| 陽子 | ね、って言われても……。 |
| 晴美 | どう? 具合は。 |
| 陽子 | うん、だいぶ良くなったみたい。 |
| 晴美 | 今目テスト受けに来てたよ、陽子のクローンが。 |
| 陽子 | どうだった? デキは? |
| 晴美 | さすがクローンね。顔も声も、そっくり。 |
| 陽子 | 当たり前でしょ。テストのデキよ、テストの。 |
| 晴美 | 自信ありそうだったよ。徹夜で勉強したって言ってたし。 |
| 陽子 | よかった……。 |