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陽子あ…どうしよう。先輩のパーティにも顔出せない(と頭を抱える)
医者忙しいんだな、女子高生って……。
ダイヤ(ルビーに)アレ、作ったらどうかしら?
ルビー(タイヤに)そうね、アレ作れば解決ね。
陽子アレ?
ダイヤこういう場合ホラ、費用も加害者持ちなんだし。
ルビーどうです? 先生? アレ作るっていうのは。
医者そうか。アレを作るしかないか……
陽子何です? 何を作るんですか?
医者(目をキラッと光らせ)クローンだよ。
陽子クローン?
医者君のクローンを作るんだ……。
ダイヤ・ルビーさ、準備よ、準備。
医者たち、大いに盛り上がる。が、陽子は不安でいっぱい。

時は、西暦二〇三〇年のことである---。


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●如月家・陽子の部屋(翌日)

 
机に向かって、陽子、勉強している。
コンコン。ノックしたドアを開け、母の佐知子(45)が入ってくる。
手には紅茶と洋菓子。
佐知子どう? 陽子ちゃん。
陽子……。
佐知子あ……ごめんなさい。あなた、陽子ちゃんじゃなかったのよね。えーっと……なんて
呼んだらいいかしら?
陽子さあ?
佐知子クローンだから……(名案、という顔で)ねえ、クロちゃん、っていうのはどう?
陽子(冷めた顔)
佐知子えっ?……駄目?
陽子(ため息をついて)名前なんてなんでもいいです。それより、なんであたしがこんな
に猛勉強しなくちゃいけないんですか?
佐知子ンもう、何度も言ったでしょ。入院中の本物に変わって中間テスト受けるんだって。
陽子あたし……陽子のクローンよ。


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佐知子そうよ、クロちゃんよ。
陽子ってことは、彼女とまったく同じ人間よ。
佐知子当たり前じゃない、クロちゃんなんだから。
陽子あの子、こんなに沢山勉強してました?
佐知子え?
陽子いくらテストの前でも、もう少しいい加減だったような気がするんです。本物より勉
強しすぎちゃうのも、クローンとしてはどうかな……って。
佐知子何言ってるのよ陽手ちゃん……じゃなかった、クロちゃん。あなた、テストを受ける
ために生まれて来たんでしょ? 何よりもまず勉強が第一じゃない。余計なこと考え
ちゃダメよ。
陽子でも……
佐知子大体ママはね、陽子ちゃんにはもっと成績のいい子になって欲しかったの。小学校の
頃はいつもトップだったじゃないの。勉強さえすればもっと成績上がるのよ。だって
あなた、あたしの娘……じゃなかった、あたしの娘の、クローンなんだから。
陽子、納得いかない。
佐知子さ、もう少し頑張りましょう。陽子って名前はね、ママにとって太陽のような存在に
なって欲しくてつけたんだから。小さい頃よくそう聞かせたでしょう? 久しぶりに


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満点取って輝いて。太陽みたいに、ね。
陽子ね、って言われても……。
佐知子、陽子を無理矢理机に向かわせる。
---タイトル「第五回太陽がいっぱい」

●病院・病室(五日後)

 
パジャマ姿の陽子、ベッドで本を読んでいる。
ドアが開いて、陽子の友人・晴美が制服姿で登場。
晴美どう? 具合は。
陽子うん、だいぶ良くなったみたい。
晴美今目テスト受けに来てたよ、陽子のクローンが。
陽子どうだった? デキは?
晴美さすがクローンね。顔も声も、そっくり。
陽子当たり前でしょ。テストのデキよ、テストの。
晴美自信ありそうだったよ。徹夜で勉強したって言ってたし。
陽子よかった……。


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