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●武の部屋

 
キッチンで料理の本を片手に料理を作る、陽子の第ニクローン。
「これまでの私は、いろんなことに目を向けすぎて、何をするにも中途半端だった。クローン
たちには時間もたっぷりあるし、一つのことに専念できる分、私の代役を立派にこなしてくれ
ていた」

●病院・病室

 
車イスに乗っている、本物の陽子。大あくびをして。
「一方、すっかり安心した本物の私は、ただダラダラと入院生活を過ごしていた」
 
隣の患者(重体の転手)も、徐々に回復している様子。
「一カ月後……」

●如月家・陽子の部屋(一カ月後)


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佐知子、陽子の百点のテスト答案を手に、
佐知子すごいじゃないの、クロちゃん。やっぱりやれば出来るのね。
陽子結横、楽しいもんですね。勉強も。
佐知子(喜んで)まあ、ホント?
陽子ええ。難しい問題が解けた時って、ちょっと快感ってカンジ。
佐知子さすがは私の娘……いや、私の娘のクローンだわ。この調子で模擬試験も頑張れる?
陽子もちろん。絶対いい点取りますから。

●武の部屋

 
陽子の作った手料理を食べ終わった、武。
ふー、食った食った。旨かったよ、クロ子ちゃん。日に日に腕が上がるね。
陽子ホント? 嬉しい。
さすがは俺の彼女……いや、俺の彼女のクローン、だね。
陽子うふふ。
結婚してもいいかなー……なんてね。
陽子……え? ホント?


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ホントだよ。(目を見つめて)君は、僕の太陽だもん。
陽子太陽?
そう、太陽。
陽子まあ……。武くんったら(と、照れる)
ってことで……行く?
武ベッドを指さす。
陽子ンもう、武くんったら(と、照れる)
武に手を引っ張られ、まんざらでもない陽子。
晴美の声(先行して)君は僕の……太陽だあ?

●病院・病室

 
手紙を読んでいる、晴美。
晴美……って、何なのコレ?
陽子(窓の方を見て)あの先生が、くれたの。
晴美え?(と、見る)
と、病室の窓から、医者の顔がこっちを覗いていた。


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医者(ニターツと笑い)……。
晴美ひいっ。
医者!!(ダッシュで逃げて行く)
陽子……気持ち悪いでしょ?
晴美もうじき退院だからこんな手紙よこしたのね? どうする?
陽子どうもしないわよ。
晴美付き合ってあげれば?
陽子冗談やめてよ。
晴美アルバイト休んでてお金ないくせにィ。
陽子あたしに援助交際勧めてるわけ?
晴美相場は一ヵ月五十万だって。
陽子あたしには武くんがいるもん。
晴美なにも陽子が交際することないわ。
陽子……え?
晴美もう一個作ればいいじゃない、クローンを。
陽子そうか……。全部で何人になるっけ……?(と考える)
晴美(数なんかどうでも良くて)いっぱいでしょ、いっぱい。ねっ、陽子がいっぱい。


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