| 桃子 | 喜んでいいの? |
| 宗一郎 | いいさ。 |
| 桃子 | ……ありがとう。 |
| 宗一郎 | 僕にも言わせてくれ。……ありがとう。 |
| 桃子 | (も、立ち上がり)どうしてお礼なんか言うのよ? |
| 宗一郎 | 僕はキミを好きになって良かった。思考スキャナーを使ったことは後悔してるけど、 |
| キミを好きになったことは後悔していない。だからお礼を言ったんだ。 | |
| 桃子 | あ、あたしも……あなたに好きになってもらって、良かったわ。 |
| 宗一郎 | (窓の前で背を向けたまま)思考スキャナーなしで、ひとつ聞いてもいいかな? |
| 桃子 | なに? |
| 宗一郎 | キミが……この先いつか、僕を好きになってくれる。そんなこと絶対ありえない? |
| 桃子 | それは……(下を向く) |
| 宗一郎 | 答えたくなければ、別にいいんだ。 |
| 桃子 | 絶対とか、そういうことは言えないけど…… |
| 宗一郎 | ……けど? |
| 桃子 | (俯いて)たぶん……ないと思う。 |
| 宗一郎 | ……そうか。 | ||||||||||||||||||||||||||||
| 桃子 | ごめんね。 | ||||||||||||||||||||||||||||
| 宗一郎 | ……。
| 桃子 | (背を向けたまま)あたしも一つ……聞いていい? さっきも聞いたけど。
| 宗一郎 | ……。
| 桃子 | あたしの、どこが好きだったの? | 桃子 | えっ? あ……どうしたの? | 桃子 | ちょ……ちょっと。何飲んだのよ、一体。 | 桃子 | ね、ねえ! ねえ!! | 桃子 | ……なんてことするのよ、まったく。覚悟って、このことだったの? | |
| 桃子 | まだ生きてるわ、いまならまだ聞ける。 |
| 桃子 | えいっ。(と、仮面を宗一郎にかぶせる) |
| 宗一郎H | (ボーッとして)……? |
| 桃子 | で……出た……。 |
| 桃子 | 最後に、ひとつだけ聞きたかったの!! ……聞こえてる!? |
| 桃子 | あたしの……!! あたしの、どこが好きだった!? |
| 宗一郎 | ……(薄く目を開ける) |
| 桃子 | ねえ!!(と、ブンブン宗一郎の身体をゆする) |
| 宗一郎H | (ボーッとしたまま)キ……ミ……の? |
| 桃子 | そう。あたしの、どこが好きだったか、あなたの本音を聞きたいのよ!! 私のどこ? |
| どこに一番ひかれた? | |
| 宗一郎H | す……ぐや……らせてくれそ……な…… |
| 桃子 | え……つ? |
| 宗一郎H | すぐ……やらせてくれそうな……トコ…… |
| 桃子 | (唖然として)………。 |
| 宗一郎H | わ……判ってないね、キミ……。男なんて……そんなもんさ……。 |
| 〔第三話・完〕 |