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窓の前には便器が現れて、桃子H、パンツを脱いで腰掛けている。
桃子Hうーん……っ(と、リキんで)が……我慢できなかったの……よ。
宗一郎そうか。どうりで長いな、と思った。
桃子Hふう……。ごめんね、食事中だったのにウンコなんかして……。
桃子H、カラカラカラッとトイレット・ぺーバーを引っ張る。
宗一郎謝ることないよ、誰だってウンコはするんだ。気にすることないさ。
桃子Hそうか、そうだよね(と、ぺーパーでお尻を拭く)
宗一郎僕はさ、おしりを拭いた後、トイレットペーパーを見るんだ。キミだって見るだろ?
ちゃんと拭けてるかどうか。
桃子Hうん、見るよ。(と、拭いたトイレットペーパーを見て)必ず見る。
宗一郎そうだよ、ウンコなんてそんなもんだよ。……どれ?(と、見て)……よし。
桃子HハイOK。(ジャーッと流し)うふふっ。
宗一郎あははっ。……なんかイイ感じだな。思考スキャナーのおかげで、僕たちなんだか判
りあえるような気がしてこない?
桃子Hそうでもないけど……
宗一郎科学者はすばらしい機械を発明してくれたな。やっぱり人間、ハラ割って話し合わな
きゃ、何も判らないんだ。


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桃子Hハラなんか割ったら、お互いを傷つけ合だけじゃない?
宗一郎僕ならもう平気。何を言われても全然傷つかないよ。思考スキャナーで判明したのは
つまりこういうことだ。キミは僕のことを好きじゃなかった……っていうよりも、
どちらかといえば、キライだった。キライだけど、自分が嫌われるのは困る。しかも
金も欲しいし物も欲しい。だから僕を利用するだけ利用した。そういうことだろ?
桃子H……そこまで知って、そのうえあと何を知りたいって言うのよ?
宗一郎そうだな……。じゃあ僕のどこがキライ?
桃子Hうーん(と、悩む)
なかなか答えない、桃子。
宗一郎(ちょっと期待して)もしかして……そんなにキライでもないんじゃない?
桃子Hいろいろあるから迷うのよ。何が一番って聞かれると。
宗一郎あはっ(と、力なく笑い)そうか。じゃあドンドン言ってよ。まずはどこ?
桃子Hまずはね……顔っ。
宗一郎顔か……(と、落ち込む)
桃子Hホラ。やっぱり駄目よ、ハラなんか割って話し合っちゃ。
宗一郎いやあ、さすがに顔が嫌いって言われちゃうと、ミもフタもないもんだね……。
桃子Hまー顔っていうか全体ね。生理的にイヤなの。


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宗一郎生理的か……(と、落ち込み)ますますミもフタもないな……
桃子Hあ、思い出したわ、一番嫌いなトコロ。
宗一郎(なぜかすごく期待して)なに? どこ?
桃子Hあなた、貧乏ユスリするじゃない。
宗一郎……する?
桃子Hするわよ。
宗一郎するかな?
桃子Hするって。
と、立体映像の光線があたって、窓の前にソファが現れる。
そこで雑誌を読んでいる宗一郎H、ユサユサと貧乏ユスリをしている。
宗一郎(見て)あ……ホントだ、してる。
桃子Hねっ。駄目なのよ、あたし。食乏ユスリする男大っ嫌いなの。
宗一郎そうか…自分じゃ全然気がつかなったな……。
桃子H貧乏ユスリ見るとイライラしてね、コンパスとかで……
と、右手に思考スキャナーの光が当たり、コンパスが現れる。
桃子Hそうそう、こういうコンパスでね、フトモモ突き刺したくなるの。うりゃっ!!
グサッ。宗一郎Hのフトモモに、コンパスの針を突き刺す。


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宗一郎Hぐおわッ!!
宗一郎(苦しむ自分を見て)ひどいよ、桃子ちゃん。
桃子Hやだ…、ごめん。思考スキャナーの中だからホントに刺しちゃったあ……。
桃子H、刺したコンパスを抜く。プシュッ。
と、余計に血が吹き出て、宗一郎Hはソファからずり落ちて、苦しむ。
宗一郎Hぐ……っ、あ……っ
桃子H大丈夫?
本物の宗一郎は、ボーツと何か考えごとをしていて、突然、
宗一郎ねえ、桃子ちゃん……コレ、僕の家のソファ?
桃子Hえ? ……なんで? そうでしょ?
宗一郎こんなソファ、僕知らないなよ。
桃子H(ソファをじっと見て)でもあたしよく見るわよ、このソファ……
宗一郎そりゃそうだよな、キミの頭の中にあるソファなんだから。
桃子H……あ。
とその時、ほんの少しだけ、立体映像の光線があたる、
すると、床で苦しみもがく宗一郎が……山ロクン(24)に変わる。
太ももを手で抑え暴れまわる、立体映像の山ロクンH。


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