| 山ロクンH | ぐぉわーっ!! |
| 宗一郎 | ん? 誰だ? こいつ。 |
| 桃子H | 山口くんよ。 |
| 宗一郎 | 山口くん? |
| 桃子H | うん山口くん、本命の。 |
| 宗一郎 | ……本命の? |
| 桃子H | そうか、勘違いしてたわ、あたし。 |
| 宗一郎 | どういうこと? |
| 桃子H | ……このソファ、山口くんちにあるソファだった。 |
| 宗一郎 | じゃあ……貧乏ユスリは? |
| 桃子H | 食乏ユスリも山口くんだったわ。 |
| 宗一郎 | ……。 |
| 桃子H | ごめんね。 |
| 山ロクンH | うぐがぉーっ!! |
| 桃子 | 気が済んだ? |
| 宗一郎 | (振り返る)……ん? |
| 桃子 | 自分を騙した女の頭の中、思う存分読み取って……。楽しかった? |
| 宗一郎 | キミが僕にそんなこと言う資格、あるのか? |
| 桃子 | 男と女なんて……結局は騙し合いじゃないの。 |
| 宗一郎 | 騙し合い?……僕はキミを騙した覚えはないけど? |
| 桃子 | あなたにだって、あたしには見えないことや聞こえないこと……知らないことが沢山 |
| あるわ。 | |
| 宗一郎 | 僕は隠しごとは嫌いなんだ。何でも見せるし、何でも聞かせるさ。 |
| 桃子 | じゃあ、あたしのどこが好きだったの? 好きだ好きだって何回も聞いたけど、どこ |
| が好きなんて一度も聞かせてもらわなかったわ。 | |
| 宗一郎 | そうだったっけ? ……でも、別に隠してたわけじゃないよ。 |
| 桃子 | ……男と女の間には、知らないことなんか沢山あるし……あるべきだと思う。 |
| 宗一郎 | そうか……そうかもしれないな……。僕にはよく判らないけど。 |
| 宗一郎 | キミが言ったように、キミのことを知る以前に、僕は女性のことを何も知らなかった |
| んだ。男と女のことについて、何も言う資格ない……。 | |
| 桃子 | あたしだって……。あたしだって、男の人のことなんか全然判ってないけど…… |
| 宗一郎 | そんなことない。キミは僕よりずっと大人だよ。今日はそれがよく判った。 |
| 宗一郎 | 悪かった。僕が馬鹿だったよ……。 |
| 桃子 | ……えっ?(と、振り返る) |
| 宗一郎 | すまなかった。 |
| 桃子 | な……何言ってんのよ。謝るのは私のほうじゃない(と、自分も座り込む) |
| 宗一郎 | 思考スキャナーを使うなんて……ひどいことした。 |
| 桃子 | ひどいのはもともと私よ。私の方こそ…… |
| 桃子 | ごめんなさい。 |
| 宗一郎 | ……!? |
| 桃子 | ごめんね。 |
| 宗一郎 | ……僕はさ、君がそうやって、ごめんね、って言うの、好きなんだ。 |
| 桃子 | え?どうして? |
| 宗一郎 | ……どうしてかな? |
| 桃子 | 謝るのは、その前に悪いことしてるからよ。 |
| 宗一郎 | そうだよな……。でも、キミにごめんねって言われると、全部許せる気がして。 |
| 桃子 | だからあたし、こんなずるい女になっちゃったのかな? |
| 宗一郎 | ホントにずるい女なら、いくら謝っても誰も許してくれないよ。 |