| 宗一郎 | あ……っ。 |
| 桃子H | (ボーツとして)……? |
| 宗一郎 | で……出た……。 |
| 桃子 | (仮面の中で)……?(首を傾げる) |
| 宗一郎 | それじゃ、まず基本的なことから質問するよ。桃子ちゃんは、僕のどこが好きなの? |
| 桃子H | 好きなところ?そうね……、気前がいいところ、かな? |
| 宗一郎 | 気前がいいところ?……他は? |
| 桃子H | それ以外は、別に。 |
| 宗一郎 | ……えっ? |
| 桃子H | 別にないけど? |
| 宗一郎 | 別にない?……そんな。 |
| 桃子H | だってセックスもうまくないし。 |
| 宗一郎 | なっ…… |
| 桃子H | なにより早いし。 |
| 宗一郎 | は、早い……? |
| 桃子H | あらっ?……(次第に青ざめて)な……何コレ? |
| 桃子 | (仮面の中で)ん……ん? |
| 桃子H | …やだっ、あたしの考えてることが全部聞こえちゃってるわけ? |
| 宗一郎 | そうか、早いのか僕は……。知らなかった……。 |
| 桃子H | やばいわ。これじゃあ、全部バレちゃうじゃないの。 |
| 宗一郎 | ……えっ? |
| 宗一郎 | ……バレちゃう? |
| 桃子H | うん、バレちゃう。そうなったら、まずいわ。 |
| 宗一郎 | な……何がまずいんだい? |
| 桃子H | あっ、だめだ……。まずいって考えても、まずいんだ。 |
| 宗一郎 | だから何がまずいんだい? |
| 桃子H | まずいっていうことを頭で考えないようにしなきゃ。 |
| 宗一郎 | だめ。だよ、考えてくれなきゃ。 |
| 桃子H | 考えないようにしなきゃって考えても、わかっちゃうのね? |
| 宗一郎 | そうだよ。だから、素直に考えたほうがいい。 |
| 桃子H | それは困るわ。何か違うこと考えなくっちゃ。えーとえーっと……そうだ、おいしい |
| もの。おいしいもの食べてること考えよっと(と、目を閉じる) | |
| 桃子H | あっ、長寿庵のおそばだ。 |
| 宗一郎 | ……え? |
| 桃子H | いただきまーす。(と、椅子に座る) |
| 宗一郎 | あ……あのさ、桃子ちゃん。そばなんか食べてる場合じゃないよ。僕とキミの愛につ |
| いて、もう少し話し合わないと…… | |
| 桃子H | その話題について考えると、あたしの立場がやばいのよ……って、そう考えるとそう |
| 言っちゃうから、それもやばいのよ。あーっ、おいしいおそばだわー。 | |
| 宗一郎 | ね、桃子ちゃん、僕たちの出会いは、雑誌が主催したパーティーだったよね? |
| 桃子H | あたしあのパーティー常連だったのよ。金持ちが集まるって有名だったから。 |
| 宗一郎 | じょ、常連?……あの時、初めて来たって言ってなかった? |
| 桃子H | (ごまかすように)あーっ、おいしいおそばねっ(とズルズル) |
| 宗一郎 | ……君は隅っこでシャンパン片手にモジモジしてたね……。 |
| 桃子H | 隅でモジモジ、コレ基本ね。コレが一番、声かけられやすいからね。 |
| 宗一郎 | そうか、基本なのか。(急に冷めて)……えっ? |
| 桃子H | えっ?あ……そう。だ、あの時飲ん。だシャンパンって、ホントにおいしかったの。 |