| 三郎 | (ヤスオを無視して)高木くんの惜りて来たのは、どんなソフトなんだい? |
| 高木 | これです(と、渡す) |
| 三郎 | (タイトル読んで)「バーチャル自殺・嫌なことがあったら死んじまえ」? |
| 高木 | ええ。これぞバーチャル・ソフトの決定版です。 |
| ヤスオ | 何言ってるんだ高木。一番の決定版はパパイヤだぞ。 |
| 三郎 | (内容を読んで)飛び下り自殺、焼身自殺、首吊り自殺、青酸カリ自殺……? |
| 高木 | ありとあらゆる自殺の瞬間を、超リアルに体感できるんです。興奮するでしょ? |
| 三郎 | (怖くなって、首を横に振り)し、しないよ……。 |
| ヤスオ | あっはっは。やっぱり、パパイヤの方がいいよね? |
| 三郎 | パパイヤも……しない(と、首を振る) |
| 高木 | やだな、お父さん。本当に死ぬわけじゃないんですよ。心臓が止まる瞬間や、意識が |
| なくなる瞬間をリアルに味わえるだけなんですよ……。 | |
| ヤスオ | あのね父さん。ステージの最後にパパイヤ大王と最終決戦があって、それをクリアす |
| ればパパイヤビームって技が身につくらしいんだ。すごいだろ? | |
| 高木 | それじゃこれはどうです?「バ−チャル殺人・嫌いなヤツをぶっ殺せ」。外部入力で |
| 顔写真を取り込めば、好きな相手を好きな方法でぶっ殺せます。例えばホラ、取引先 | |
| のオヤジとか生意気な部下とか、憎たらしいヤツがいるでしょ?で、この鼻カバー | |
| を装備すれば、殺したヤツらの死臭だって嗅ぐことができるんです…… | |
| ヤスオ | 来月のアタマにさ、入れ歯の形をしたバーチャル・マウスってのが発売されるんだ。 |
| ソレさえあればパパイヤ星人の死体を食べることも出来るんだってさ。 | |
| 三郎 | 壊れてる……。おまえたち、どっか壊れてるよ!!(と叫ぶ) |
| 高木 | ……壊れてる? |
| ヤスオ | 何言うんだよ、父さん…… |
| 三郎 | な……何がバーチャルだ!!(と、二人に投げつける) |
| ヤスオ | いてっ。なんてことすんだよ。 |
| 三郎 | こんな世界、現実じゃないんだぞ!! |
| 高木 | ……知ってますよ、バーチャルじゃないですか(と、立ち上がる) |
| ヤスオ | (も、立ち上がり)これが現実だったら、やばいだろ? |
| 三郎 | そうだ、やばい。こんな世界に入ってちゃ、やばいんだ!! |
| 高木 | お父さんだって、入ってたじゃないですか。ウシロカラなんとかの世界に…… |
| ヤスオ | そうだよ。そんなこと言うなら、もうやらせないぞ「味チチ揉んで」。 |
| 三郎 | ああ、いいさ!! |
| 三郎 | 父さんが馬鹿だった……こんなやばいものやっちゃダメなんだ。もう二度とやらん!! |
| 高木 | あっ、「味チチ揉んめ」……!! |
| ヤスオ | 借り物だろ? 楽しかったんだろ? |
| 三郎 | 楽しかったさ!! |
| 高木 | (気づいて)あ……? |
| ヤスオ | (気づいて)あれっ? |
| 三郎 | そりゃあ父さん、楽しかったよ……。ほんのちょっとの時間だし、何も出来なかった |
| けど、ホントに楽しかった……。だって、父さんの現実にあんなことあるわけないん | |
| だから。あんな可愛い娘とあんなに楽しい時を過ごすことなんて、現実には絶対にな | |
| いんだ!!……あんな世界にいつでも行かれるなら、毎日行く。会社なんか行かずに、 | |
| 後唐美奈代の部屋にずっと居たいよ!! | |
| ヤスオ | (優しく)そ……それはやばいよ、父さん。 |
| 高木 | そうです。バーチャルに溺れちゃ、やばいです。 |
| 三郎 | ああ、やばい。おまえたちだって同じだ!!、おまえたちも溺れてるじゃないか!! |
| ヤスオ | 俺たち……? (高木に)おまえ、溺れてるのか? |
| 高木 | (ヤスオに)俺は溺れてないよ。おまえのことだろ? |
| 三郎 | 溺れてるさ二人とも。新製品が出るたぴにバイトした金何百万もつぎ込んでるじゃな |
| いか。なにがマニアだ……なにがバーチャルだ!! | |
| 三郎 | こんな物・・・…こんな物、なくなっちまえ!!(と、引っ張る) |