| 三郎 | ごめんなさい。ワタシなにか……なにか、しでかしました? |
| 美奈代 | (無表情のまま、小さな声で)先へ進む時は、ネクストを押さなきゃ。 |
| 三郎 | ネ……ネクスト? それは? |
| 美奈代 | ここ(と、自分の股間を指で差す) |
| 三郎 | ワオーツ(と、驚いて、目をギラギラさせ)……いいの?ホントにいいの? |
| 美奈代 | もちろんよ。 |
| 三郎 | 失礼します……(と、嬉しそうに指を伸ばし)……ネクストっ(と、押す) |
| 三郎 | (指を目の前に寄せ)こっ、この指の感触……。まさにバーチャルっ!! |
| 美奈代 | ハーイ。ようこそ、あなたのなすがままのコーナーへ。 |
| 三郎 | (振り返り)わーん、美奈代ちゃああんっ。 |
| 美奈代 | このコーナーは、あなたが美奈代に何をしてもいいコーナーです。まずは詳しく説明 |
| いたしま…… | |
| 三郎 | (美奈代の股間をズブズブ押し)ネクストっネクストっネクストっ…… |
| 三郎 | あ…… |
| 美奈代 | (が、笑顔に戻り)……それでは、あなたのなすがままコーナーを始めまーす。 |
| 三郎 | (ホッとして)よ、よろしくお願いしますっ。 |
| 美奈代 | さあ、何でもどうぞ。 |
| 三郎 | は、はい。(ゴクリと唾を飲み)……では、失礼させていただきます。 |
| 高木の声 | (先行して)ハーイ、お父さん。 |
| 高木 | ……このつづきは、またのちほど。 |
| 三郎 | そ、そんな……。今一番いいとこなんだよ。 |
| ヤスオ | 駐車場探すついでに、俺たち、面白いもの買って来たんだ。 |
| 三郎 | (見て)何だい? それ。 |
| ヤスオ | (自慢げに見せて)ヘヘっ、バーチャル一鼻カバーだよ。 |
| 三郎 | バーチャル鼻カバー? ……なんだか他のと比べて、名前が格好悪くないか? |
| 高木 | ……えっ? 名前が恰好悪い? 鼻、は漢字なのに? |
| ヤスオ | 渋いよなあ−。鼻、だけ漢字のトコが。 |
| 三郎 | そうか? 父さんわかんないな、おまえたちの感覚……。 |
| ヤスオ | (顔につけて、三郎に)……どう? |
| 三郎 | どう? って言われてもな……。父さんには、かなりマヌケに見えるけどなぁ…… |
| 高木 | (も、つけて)これがあればね、匂いまでリアルに体感できるんですよ。 |
| 三郎 | 匂い? 例えば何の匂い? |
| ヤスオ | (嬉しそうに)パパイヤに決まってるじゃないか、父さん。 |
| 三郎 | パパイヤ? |
| ヤスオ | 想像してみてくれよ父さん。あの青いパパイヤが、香りつきで飛んで来るんだ。 |
| 三郎 | (想像し)……うらやましくないぞ、ちっとも。 |
| 高木 | 後カラなんとかって娘も、匂いつきになるわけです。 |
| 三郎 | (目を輝かせ)それは素情らしいね。コ、コレはいくらするんだ? |
| ヤスオ | 百万ちょい、だったよ。 |
| 三郎 | おいおい!! こんなモンが、百万もするのかー!? |
| 高木 | 出たばかりですし。新製品は、高いんですよ。 |
| ヤスオ | 仕方ないって。俺たちホラ、マニアなんだから。 |
| 高木 | さ、俺が借りたソフトやりましょう。まずはお父さんに体感させてあげますから。 |
| ヤスオ | 待てよ高木。父さんには、まずパパイヤをやってほしいんだ。 |