| 三郎、突然大笑いして、 |
| 三郎 | あっはっは、それはしょうがない、おまえまだ若いんだから。父さんだって、おまえ |
| ぐらいの時は恥ずかしいぐらい早かったからな。しかし今日は父さんも自信ないな。 |
| なにせ相手は、後唐美奈代だから。はっはっは。 |
| ヤスオ | ん?何のこと?……ウシロから? |
| 三郎 | 美奈代だ。父さんの大好きな、後唐美奈代だよ。あなたとバーチャルエクスタシーの |
| 第三弾、後唐美奈代の「味チチ揉んめ」だ。 |
| ヤスオ | 味チチ……?(つまらなそうに)ああ、何だ……借りて来たってエロソフト? |
| 三郎 | 何だとはなんだ。新しいメディアを広めるのはエロだって歴史の時間に習わなかった |
| のか?二十世紀のビデオとかダイヤルQ2とか、全部そうだったんだぞ。 |
| ヤスオ | そりゃそうだけどさ……(急に情けない声をあげて)ああーっ!! |
| ヤスオ、運転ポーズのまま、全身をくねくねと全身を動かす。 |
| 三郎 | はっはっは。やっぱり若いな、ヤスオ。考えただけでもイッちゃったか? |
| ヤスオ | ち、ちがうっ。滑るんだ。車が突然、南極を走ってるんだ! |
| 三郎 | 南極……?(恥ずかしがり)そ、それ……探検隊愛用の人形のこと? |
| ヤスオ | ううさぶっ! 父さん、寒いよー ヒーターは? |
| ヤスオ、ガタガタ震えながら、インパネのボタンを探すような動き。 |
| に連動して、このメディアスーツの内側が肌にほんの少し刺激を与えるだけなんだ。 |
| 三郎 | 父さんなんだか……ヘルメットから電流が流れる、とかって聞いたぞ。 |
| ヤスオ | ヘルメットじゃなくてバーチャルヘッドだってば。電流を流すってのはちょっと大げ |
| さだよ。ホラ、人間が痛いって感じる時の脳波があるとするでしょ?それとまった |
| く同じ脳波にさせる特殊な信号を、頭に送ってくるだけ。それがスーツの刺激と合わ |
| さると、人間は本当に痛いって錯覚しちゃうわけさ。 |
| 三郎 | 脳ミソを騙してるのか……。そんなことして悪い影響とかないの? |
| ヤスオ | どうだろうな? でもいいじゃん、楽しいんだから。 |
| 三郎 | そんなに楽しいか? パパイヤが飛んで来るのが。 |
| ヤスオ | 楽しいなんてもんじゃないよ。落下する時なんてものすごくリアルでさ、大気圏だか |
| ら息も出来ないし、パラシュートを閉くまでマジで死ぬかと思っちゃったよ。ねね、 |
| 父さんもやってみなよ。ねっ(と、バーチャルヘッドをかぶせようとする) |
| 三郎 | ま、待ってくれ。父さん、痛いのはヤダよ。父さんは……コレが見たい。 |
| 「後唐美奈代」のソフトを見せる、父。 |
| ヤスオ | そんなエロより絶対パパイヤの方が面白いって。 |
| 三郎 | 実はもう一枚別のソフトを借りたんだ。今日中にこっちだけでも見ておきたいし。 |
| ヤスオ | もう一枚? 何? もう一枚って。 |