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三郎、突然大笑いして、
三郎あっはっは、それはしょうがない、おまえまだ若いんだから。父さんだって、おまえ
ぐらいの時は恥ずかしいぐらい早かったからな。しかし今日は父さんも自信ないな。
なにせ相手は、後唐美奈代だから。はっはっは。
ヤスオん?何のこと?……ウシロから?
三郎美奈代だ。父さんの大好きな、後唐美奈代だよ。あなたとバーチャルエクスタシーの
第三弾、後唐美奈代の「味チチ揉んめ」だ。
ヤスオ味チチ……?(つまらなそうに)ああ、何だ……借りて来たってエロソフト?
三郎何だとはなんだ。新しいメディアを広めるのはエロだって歴史の時間に習わなかった
のか?二十世紀のビデオとかダイヤルQ2とか、全部そうだったんだぞ。
ヤスオそりゃそうだけどさ……(急に情けない声をあげて)ああーっ!!
ヤスオ、運転ポーズのまま、全身をくねくねと全身を動かす。
三郎はっはっは。やっぱり若いな、ヤスオ。考えただけでもイッちゃったか?
ヤスオち、ちがうっ。滑るんだ。車が突然、南極を走ってるんだ!
三郎南極……?(恥ずかしがり)そ、それ……探検隊愛用の人形のこと?
ヤスオううさぶっ! 父さん、寒いよー ヒーターは?
ヤスオ、ガタガタ震えながら、インパネのボタンを探すような動き。



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三郎ヒーター? えーっとリモコン、リモコン……(と部屋の中を探す)
ヤスオ危なーい!!(と、絶叫し、ハンドルを切る)
三郎えっ!?(と、思わず身をすくめる)
ヤスオ、うしろを振り返って、
ヤスオな……何だ? 今のは……? 特大のパパイヤが飛んできたぞ……
三郎(やっと気づいて)あーそうか。おまえ、まだパパイヤと戦ってたのか。
ヤスオね、父さん(インパネあたりを指さして)このボタン、何だろう?
三郎さあ? 押してみれば?
ヤスオうん。(押して)おっ。(両側を見て驚き)つ……翼が出たよ。
三郎(冷静に)ほう、翼が出たか。
ヤスオおりゃああ--ッ
ヤスオ、ハンドルを握ったままの恰好で、上昇するポーズ。
ヤスオと……父さん、見てくれ。飛んだっ、車が飛んだよー!!
三郎(冷静に)そうか、飛んだか。
ヤスオ、一度大きな衝撃を受ける。と、突然部屋の中をグルグル回りだし、
ヤスオう……(大絶叫)うわーッ!!
やがて、気を失ったように、床に崩れ落ちる。


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ズドーン。
大の字に倒れたヤスオ、全身をピクピク痙攣させて、
ヤスオし……死んだ……っ(ガクッ)
と、突然動かなくなる。
三郎……あれっ?(ちょっと心配)……おい。どうした?
ヤスオ(まったく動かない)
三郎や……ヤスオ……?(と、心配になって近づく)
と、ヤスオが突然ガバッ、と起き上がる。
三郎ひいっ!!(と、びっくり)
ヤスオ……あ……(バーチャルヘッドを外し)あーっはっはっはは、楽しかったーっ。
三郎ヤスオ……(ホッ)
ヤスオいやー、まいったよ。飛んだと思ったら、目の前に超特大パパイヤが現れてさー。
三郎超特大? ……で?
ヤスオパパイヤ光線を胸にくらって、ゲームオーバーだよ。
三郎痛くないの?
ヤスオ痛いさ。感じる痛みは全部本物と同じなんだ。だから死ぬほど痛い。でもホントに死
ぬことはないし、傷もつかない。これはあくまで仮想現実に過ぎないだよ。ゲーム


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に連動して、このメディアスーツの内側が肌にほんの少し刺激を与えるだけなんだ。
三郎父さんなんだか……ヘルメットから電流が流れる、とかって聞いたぞ。
ヤスオヘルメットじゃなくてバーチャルヘッドだってば。電流を流すってのはちょっと大げ
さだよ。ホラ、人間が痛いって感じる時の脳波があるとするでしょ?それとまった
く同じ脳波にさせる特殊な信号を、頭に送ってくるだけ。それがスーツの刺激と合わ
さると、人間は本当に痛いって錯覚しちゃうわけさ。
三郎脳ミソを騙してるのか……。そんなことして悪い影響とかないの?
ヤスオどうだろうな? でもいいじゃん、楽しいんだから。
三郎そんなに楽しいか? パパイヤが飛んで来るのが。
ヤスオ楽しいなんてもんじゃないよ。落下する時なんてものすごくリアルでさ、大気圏だか
ら息も出来ないし、パラシュートを閉くまでマジで死ぬかと思っちゃったよ。ねね、
父さんもやってみなよ。ねっ(と、バーチャルヘッドをかぶせようとする)
三郎ま、待ってくれ。父さん、痛いのはヤダよ。父さんは……コレが見たい。
「後唐美奈代」のソフトを見せる、父。
ヤスオそんなエロより絶対パパイヤの方が面白いって。
三郎実はもう一枚別のソフトを借りたんだ。今日中にこっちだけでも見ておきたいし。
ヤスオもう一枚? 何? もう一枚って。


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