Top
<<
|
>>
1・
2
・
3
・
4
・
5
・
6
・
7
・
8
・
9
●テナントビル・外景(昼)
小さなテナントビルの裏に、地下へ降りる階段がある。
階段の前には「レンタルバーチャル・愛&YOU」の看板。
ジャージ姿の中年男・三郎(45)が、その看板をじっと見つめている。
---時は、西暦二〇三〇年のことである。
●同・階段
階段を降りると、踊り場の壁にポスターが張られている。
人気バーチャル女優・後唐(ウシロカラ)美奈代(22)のポスター。
「あなたとバーチャル・エクスタシー第三弾・後唐美奈代の味チチ揉んめ」。
じっと眺める三郎の顔に、モノローグが重なる。
「私は、この日が来るのを待っていた……」
●ヤスオの部屋(昼)
1
小さな一戸建ての、二階の部屋。ここに、一人の男がいる。
カーテンを閉め切った室内にズラリと並ぶ最新のAV機器。
その中の一台から長い長いケーブルが伸びており、ずっと辿って行くと……。
それはなぜか、男が着用した「ビニール製のつなぎ」に接続されている。
「息子がついに、アレを買ったのだ」
「ビニール製のつなぎ」を着ている男が、三郎の息子・ヤスオ(20)である。
ヤスオ、箱から「ヘルメット」を取り出し、突然自分の頭にかぶせる。
ヘルメットには安っぽい「サングラス」が取り付けられており、それも見事に
目の位置と重なった。
さらに「ゴム手袋」と「長靴」を箱から出し、手足に装着するヤスオ。
---ヤスオが身につけたこの不思議なアイテム、実はこれ、すべて最新型の
AVインターフェイスである。「ビニール製のつなぎ」は、メディアスーツ。
「ヘルメット」は、バーチャルヘッド。「サングラス」は、グラスビジョン。
「ゴム手袋」は、モーショングローブ。「長靴」は、アクションシューズ。
どれもこれも、仮想現実「バーチャル」の世界を体験するための道具なのだ。
2
●レンタルバーチャル「愛&YOU」・店内(昼)
棚にはたくさんのディスク「バーチャルソフト」が並んでいる。
店内をキョロキョロ見渡す、三郎。やがて、店の一角に目を止める。
「私も、早くアレを試したい」
そこは、「十八歳未満お断り」という貼り紙の、アダルト専門コーナー。
●同・アダルト専門コーナー
周囲の視線を気にしながら、カーテンを開け、三郎が入ってくる。
さすがアダルト専門、どのソフトもパッケージ写真が、ドスケベだ……。
ニターツと笑う三郎、その中にポスターと同じ顔---後唐美奈代を発見。
「あなたとバーチャル・エクスタシー第三弾・後唐美奈代の味チチ揉んめ」。
●同・レジカウンター
3
貸出しをおこなうレジカウンターに、謎の二人組がいる。
この店で働く従業員・オナペッツである。(宝ダイヤ&ルビー)
三郎、他の客がいないことを確認しながら、カウンターに近づく。
ソフトを二枚、静かに出すと、
ダイヤ・ルビー
(声を揃え、ハキハキと)いらっしやいませー。
三郎
(小さい声で)コレと、コレね。
ダイヤ
当店のご利用は初めてでらっしゃいますか。
三郎
え? あ、はい。
ルビー
では身分証明書をお願いいたします。
三郎
ああ。えーっと(と、ポケットをあちこち探す)
そこへ学生服の男が、
学生服
あのすいません。コレ(と、カウンターに数枚のソフトを出す)
ほぼ同時に、ハデな衣裳のしかもハデに太った、女が、
ハデ女
コレお願いね(と、力強く数枚のソフトを突き出す)
ガシャーン。運悪く、二人の置いたソフトが、三郎の二枚と一緒にカウンター
の下に落ちてしまう。
ダイヤ・ルビー
あーっ。
4
<<
|
>>
1・
2
・
3
・
4
・
5
・
6
・
7
・
8
・
9