| オレンジ | ひどいわ!! |
| 主人 | ひどいじゃねーか……(と落ち込む) |
| ワタル | ……? |
| オレンジ | (泣きながら)あたし、あなたのために一生思命作ったのに……。 |
| 主人 | 作ったの、俺だ……(肩を落とし) |
| オレンジ | ひどい!!(カウンターを叩く) |
| ワタル | オ……オレンジ!? |
| オレンジ | 私たちの仲も、これで終わりね。 |
| ワタル | 待ってくれ(と、止める) |
| ワタル | (明るく)冗談、まずいなんてウソ。おいしかったよ。 |
| オレンジ | (泣きやんで笑顔を見せ)……ホント? |
| 主人 | (同じような笑顔で)ホント? |
| ワタル | うん、うまい!!(と感激) |
| オレンジ | (キョトン)……。 |
| ワタル | まずいわけないよ。オレンジが一生懸命作ってくれたんだんだから……。 |
| オレンジ | (だんだん笑顔に)……。 |
| 主人 | (小さな声で)だから作ったの俺だって……。 |
| オレンジ | (ピースをする) |
| ワタル | ……(ホッとして)ごめんよ、オレンジ。 |
| オレンジ | ううん、いいの。この次はもっと頑張るわね。 |
| 主人 | (小さく)頑張るのも私です……。 |
| ワタル | すいません。こいつプリセットされた恋人の会話しかできなくて。 |
| 主人 | へっ? |
| 店員 | ? |
| ワタル | 僕の言葉によっては、ときどき裏ワザが作動しちゃうんです。 |
| 主人 | (理解し)ああーああ、なるほど。じゃ今のは…… |
| ワタル | たぶん、手料理の後の会話かな。 |
| 主人 | へー? 恋人型って手料理まで御馳走してくれんのかい?(と店員をチラッ) |
| 店員 | (しょんぼり)……。(プロペラのスピード急激にダウン) |
| ワタル | ヘヘヘ。彼女、オムレツが得意なんス。 |
| オレンジ | (ワタルに)ねっ。 |
| ワタル | (振り向き)ね。 |
| オレンジ | 愛してるわ、ワタル。 |
| ワタル | 僕も、だよ、オレンジ。 |
| オレンジ | 私の方が、いっぱい愛してるわ。 |
| ワタル | 僕のほうさ。 |
| オレンジ | 私よ。 |
| ワタル | ……(が、急に視線を感じ、チラッ)、 |
| 主人・店員 | (冷めた目線)……(しらーっ) |
| オレンジ | ? |
| ワタル | あっ、あのさオレンジ。こういう店でこんな会話しちゃ……まずいんだ。 |
| オレンジ | (大声で)まずい? |
| ワタル | ……あ。 |
| オレンジ | ひどいわ。あたし……あなたのために一生思命作ったのに。 |
| ワタル | そ……そうじゃないんだ(と苦笑い) |
| オレンジ | ひどい!!(バーンと、カウンターを叩き、立つ) |
| ワタル | あ、あ……。 |
| オレンジ | (睨みつけ)……私たちの仲も、これで終わりね!! |
| ワタル | オ、オレンジーッ!!(と追う) |
| 店員 | (いつもその音に反応しているように)毎度あり。 |
| 主人 | (つられて)毎度……。 |