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「未来の想い出」 ―その斬新な構造とドラマのねらい― ―5― |
このドラマの構造は、ひとことで言うと はるか未来に語られる、ちょっと未来の物語。なのです。 ストーリー・テラーの存在は、西暦2100年(つまり、今からはるか百年以上先の未来)にあります。彼が語るのは、およそ2000年から2020年(つまり、今からちょっと未来)の「想い出」あるいは「昔ばなし」です。母親が枕もとで聞かせてくれた昔ばなし、グリムやアンデルセンの童話がそうであったように、このテの物語は代々語り継がれて来た話のためか、途中で大げさになったり、 誰かにアレンジされたりして、原型とは大きく変わってしまいます。 桃から、人間が生まれるわけはありません。島に鬼がいるわけもありません。森の中にお菓子の家があるわけはないのです。 それが全部許されてしまうのは、子供に聞かせるおとぎ話だからに他なりません。 |